日本の事例?
1.橋梁の概要
・用途別分類 : 道路橋(首都高速道路).
・適用示方書・設計標準等 : 不明.
・供用開始年 : 昭和46年(竣工).
・交通量 : 不明.
2.構造の概要(Fig.1 参照)
・上部構造の形式 : 不明.
・径間の分類(単or多) : 不明.
・支持条件(単or連続) : 不明.
・合成or非合成 : 不明.
・床版の種類 : 不明.
・下部構造の形式 : 鋼製ラーメン橋脚..
File not found: "fig1.jpg" at page "鋼製ラーメン橋脚隅角"[ź]Fig.1 対象橋脚の形状および板組形式(文献1)より引用)
3.亀裂発生部位
・対象橋脚で発見された亀裂は隅角部の柱フランジと梁フランジを繋ぐ十字溶接ビード上にあり、発見時はK2側(起点側)に45mmとS2側(終点側)に40mmの亀裂があった(Fig.1 参照).
4.亀裂の発生点
・亀裂は3溶接線交差部に生じた不溶着部を起点に発生していることがわかった.箱断面のせん断遅れによる応力集中と繰返し載荷により、溶接ルート部から表面に進展したと考えられる.
5.亀裂発見の状況
・不明.
6.亀裂の調査
・磁粉探傷試験(Fig.2,Fig.3 参照).
・マクロ試験(Fig.4 参照).
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7.疲労原因の調査
・不明.
8.疲労原因調査のための解析
・不明.
9.疲労損傷の原因
・箱断面のせん断遅れによる応力集中と繰返し載荷により、溶接ルート部から表面に進展したと考えられる.
10.補修・補強対策法
・あて板補強:あて板はウェブ面に支圧ボルトを用いて設置している.あて板に要求する性能としては、隅角部に作用している局部応力を50%程度を目標に低減させること,ま た、亀裂除去等の際の安全性の確保である.
・スカラップ施工(Fig.5 参照):亀裂の再発防止のためスカラップ施工により亀裂の起点と考えられる不溶着部の除去を行う.
File not found: "fig5.jpg" at page "鋼製ラーメン橋脚隅角"[ź]Fig.5 スカラップ施工後形状(文献1)より引用)
11.補修・補強のための解析等
・応力頻度測定を行い,あて板による応力低減効果を確認している(Table.1 参照).
File not found: "tab1.jpg" at page "鋼製ラーメン橋脚隅角"[ź]Table.1 隅角部応力頻度測定結果(文献1)より引用)
12.その他のコメント
・隅角部の板組みは柱・梁ともウェブが勝ち部材で形成されている.
・実橋脚におけるこれまでの調査から、亀裂の多くは3溶接線交差部の不溶着部を起点としていることが判っており、これを取り除く方法としてスカラップ施工は有効である.
・その(スカラップの)施工に当っては、新たな欠陥を作ることにならないよう十分な事前検討と慎重な施工が不可欠と言える.
(出典資料・文献)
1) 須藤肇,松岡昇,渡邉裕一:鋼製橋脚隅角部における疲労損傷部の亀裂除去対策事例,土木学会第59回年次学術講演会講演概要集,I-546,pp.1089-1090,平成16年9月.