日本の事例?

1.橋梁の概要

・用途別分類        : 道路橋(名古屋高速道路公社).
・適用示方書・設計標準等  : 不明.
・供用開始年        : 昭和46年(竣工).
・交通量          : 不明.

2.構造(標識柱)の概要(Fig.1 参照)

・寸法         : 高さ約5m,幅約10m.
・情報板の重量     : 1.1~1.6t.
・構造形式       : 4本の鋼管の脚を持つトラス構造.
・設置状況       : 高さ約1mの壁高欄上にボルトにより設置.

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Fig.1 疲労亀裂が発生した標識柱(文献1)より引用)

3.亀裂発生部位

・標識柱基部には三角形のリブが4 枚溶接によって取り付けられており,疲労き裂はこのリブのまわし溶接部から発生していた(Fig.2 参照).
・1 基の標識柱ではまわし溶接部に疲労き裂が1箇所,もう1 基の標識柱は5 箇所のまわし溶接部に疲労き裂があった.疲労き裂の長さは全長50~55mm 程度で,まわし溶接上を進展し,鋼管上に3~11mm 程度伸びた状況にあった.

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Fig.2 まわし溶接部に発生した疲労亀裂(文献1)より引用)

4.亀裂の発生点

・標識柱基部には三角形のリブのまわし溶接部(Fig.2 参照).

5.亀裂発見の状況

・点検(平成16年度).

6.亀裂の調査

・不明.

7.疲労原因の調査

・不明.

8.疲労原因調査のための解析

・不明.

9.疲労損傷の原因

・不明.

10.補修・補強対策法(Fig.3 参照)

・下記の「11.補修・補強のための解析等」をもとに,公称応力の低減効果およびき裂発生箇所の施工条件を勘案し,3 箇所のき裂は補強リブ溶接とし,3箇所は炭素繊維シート貼り付けとした.
・補修後の残存寿命は補強リブ溶接で18 年程度,炭素繊維シート貼り付けで7 年程度となり,取り替えまでの安全確保ができるものと判断した.
・補修工事は3 夜間にわたって,1 車線を規制し,標識柱の片側(疲労き裂1~3 箇所)ずつ行った.施工上特に問題となる点はなく,施工時間は炭素繊維シート貼り付けが1 箇所あたり2.5 時間程度,補強リブ溶接が3 時間程度であった.

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Fig.3 補修工事後の状況(文献1)より引用)

11.補修・補強のための解析等

・補修方法は,限られた時間での施工性と効果を考慮し,1)ストップホールによる方法,2)当て板を溶接する方法,3)補強リブを溶接する方法,4)炭素繊維シートを貼り付ける方法の4 種類を検討した.
・検討にはFEM解析を用い,現状の構造に対する補修後の公称応力の低減効果を比較の基準とする.解析結果を[Table.1>#tab1]],[fig.4>#fig4]]に示す.

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Table.1 補修工法別の効果(文献1)より引用)
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Fig.4 補強リブモデルの解析結果(文献1)より引用)

12.その他のコメント

・標識柱取り替えまでの間に定期的なモニタリングを行う予定である.

(出典資料・文献)
1)須藤肇,松岡昇,渡邉裕一:片桐英喜,前野裕文,山田健太郎,小塩達也,山田聡:門型標識柱基部に発生した疲労き裂の調査・検討および補修工事について,土木学会第60回年次学術講演会講演概要集,I-402,pp.801-802,平成17年9月.


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