箱桁

垂直補剛材(連結板)上端溶接部き裂(C1)

1.点検概要

点検日:H25年3月19日

点検名:H25構造物点検(定期点検)

点検種別:鋼桁・沓・鋼床版点検(裏面)

2.橋梁位置,諸元

路線:3号渋谷線

損傷箇所:渋330~下り

高架下状況:国道246

橋梁諸元

鋼単純合成箱桁(3セル)

支間長29.9m

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図.1 橋梁骨組み図

3.環境条件

交通量,応力計測結果等あればリンク(WikiName)をいれる.

4.損傷状況

損傷番号:羽田-B0-065号

損傷位置:3-S1-0

損傷状況:疲労き裂,母材へ進展

応急処置:なし

前回点検結果:今回新規損傷

損傷記号: 不明-T-240(130)-9-240(158)

損傷部位:端ダイヤフラム垂直補剛材 下側溶接部

横桁ウェブの垂直補剛材溶接部に、母材への進展が50㎜を超えるクラックを確認.
※損傷箇所は新設桁連結装置設置に伴い既設桁連結装置撤去後の部材にあたる。

※( )内は母材進展長

【損傷スケッチ】

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fig2 損傷スケッチ図

【損傷写真】
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図.3 損傷写真(遠景);
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図.4 損傷写真(近景);

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図.5 磁粉探傷写真(近景)

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図.5 磁粉探傷写真(近景)

【損傷箇所図面】

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図.12 損傷箇所図面

【点検における留意点】

き裂は同一ディテールの他のVSにも生じる可能性が高いので,両端のダイヤフラムのVSの上下端の溶接を出来ればMTを用いて調査する.VSがダイヤの両面についている場合は,裏側のVSも調査する.隣接スパンの同一ディテールも調査する.

5.診断

箱桁端ダイヤはダイヤフラムの面外変形に対して,拘束材として働くため,上下端に応力が集中する.垂直補剛材が上下フランジに溶接されている場合には溶接部にき裂を生じる場合が多い.き裂はVS外側から発生し,内側に進展する.き裂は回し溶接のVS側止端に生じる場合が多いが,下フランジの曲げ剛性が低い場合には,本橋のように下フランジ側に発生する場合もある.

【処置】 アングル材等によるボルト当板をとりつける対策が考えられる. 本き裂は垂直補剛材と上下フランジが分断されるに従い進展が遅くなり止まる場合もある.進展初期にはSH等を設置しても,発生応力を下げなければ再発する可能性がある.VSがダイヤフラムの補剛のためのみに設置されているのであれば,上下端を切り離すことも考えられるが,その場合には切断端部に応力集中を生じ,ビード切断端部や,ダイヤフラムと下フランジの首溶接部などに新疲労き裂が発生する可能性がある.

また,本橋のように上フランジ側に垂直補剛材が溶接されている場合には,桁端部の交通荷重により,上フランジとVS溶接部に疲労き裂が生じることもある.

6.補修補強

応急補修:未処置

7.類似事例


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